深夜2時、ひさしぶりに夜中の作業をしている。
深夜の繁華街のミスドは
飲み会帰りでベロベロのサラリーマン、
夜のお仕事に出勤する姉ちゃん、
ちょっとイカツイ兄ちゃんたち、
なぜこの時間にいるのかわからないおばあちゃん、
などバラエティに富んだメンバーで意外なほどに活気が溢れている。
SNSも静かになり、メールやメッセンジャーも来なくなるこの時間帯は、ひとり自分と向き合うには最適で。
夜更かしの罪悪感とともに淡々とブログを書いたり、今後の人生計画を考えるのが好きだ。
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約3年前、わたしは同じように深夜のマクドナルドでひたすらブログを書いていた。
会社員だったので平日は24時まで書いて、土日はマクドナルドをハシゴして夜が明けるまで作業していたこともあった。
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ただ純粋に楽しかった。
ブログを書く力が日に日に身についていること
自分の記事を読んでくれる人が日に日に増えていくこと
自分の力でお金を稼ぐ実感を得られたこと
何もかもが新鮮で、新しい世界を開いた気がした。
でもその新しい世界に飛び込んでから、また大きな壁に出会った。
自分より何倍も努力して成果を挙げている人
同年代で、自分よりはるかに世の中へインパクトを与えている人
多くの人に愛され、応援されている人・・・
ブログを通して小さく育ったわたしの自尊心は簡単に打ち砕かれた。
わたしはただの凡人なんだ。
たまたまブログが楽しくて、少し人に読まれたからといって調子に乗ってただけの、凡人。
いままで大きな挑戦もなく、もがき苦しむような葛藤もなく、夢中で何かスキルを身につけることもなく生きてきた。
何の取り柄もないわたしは、ただひたすらみんなが遊んでいる間寝てる間に手を動かすしかないと思った。
だから怠け心と戦いながら手を動かした。
たくさん手を動かして、数をこなして、凡人でも戦えることを証明したかった。
手を動かした結果、実力のないわたしでも多くの運に恵まれて独立することができた。
努力が報われた気がした。
たとえマグレだとしても、自分のやってきたことが実を結んだと実感できたのは何にも代えがたい高揚感がある。
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その気持ちを忘れずにいようと思ったものの、わたしは本当に愚か者なので独立からしばらく経った後に慢心した。
あれだけ変化を恐れずに挑戦しようとしていた姿勢をいとも簡単に忘れ、自分が今まで築いてきたものを失うことが怖くなった。
変化したいと思いながら、現状を失うことを恐れて手を動かせなくなった。
現状を維持することは実は大変で、それなりに頑張った記憶もある。
だけど初期の頃のように無我夢中で自分の人生を切り拓くあの感覚はどうやっても取り戻せなかった。
これでいいのか?
これでいいのか?
まだまだできるんじゃないのか?
こんな言葉がずっと頭の中から離れない。もう1年も。
「ああ、フリーランスとは自由であり、自由とは己の葛藤と向き合うことなんだ」と知った。
いまは、少しずつ自分の進むべき方向が見えてきている。
ただ正直な気持ちは、まだ怖い。
変化することで失うもの、捨てなければいけないものがあるかもしれない。
だけど、それを憂いて踏みとどまっていては、一生この苦しみを味わい続けなきゃいけない。
独立して、あと数ヶ月もすれば3年になる。
3年前とは環境も境遇もまったく違う。
だけどあのときのがむしゃらな自分と、いやそれ以上の自分と、これからもう一度出会っていきたい。