先日、とある事業戦略コンサルタントの方とお話しする機会がありまして。
店舗のプロデュースから組織改革まであらゆる企業の内部を見てきた敏腕の戦略軍師だったのですが、わたしの活動に関しても、アドバイスいただいたことがあったんですね。
わたし自身、5年前に会社員から独立して、情報発信でメシを食わせてもらってる身ではあるのですが、最初の頃って、「とにかく自分一人の力で稼ぎたい!」「自由に好き勝手に生きたい!」という気持ちが9割・・・というかそれがほとんどの活動の動機だったんですが(笑)
これから先、10年20年と続くような媒体として継続していくには?という視点って、ぶっちゃけ全く持ってなかったんですよね。とにかく目先の、短期的なことしか考えてなかった。
これは、情報発信業界全体に言えることだと思うんですけど、参入のハードルが低いゆえに、一時的な成果や影響力をつけること=成功だと思う人が、少なくないわけなんですね。
もちろん短期的な成果を出していくことも大事なので、それはそれで頑張ればいいんですけど、そこしか見てないってなったときに、じゃあ数年先には自分がやってたことは跡形もなく、誰の心にも留まらず消え去ってる・・・ってのも、虚しくない?って思うんですよね。
(ただ稼ぐためだけにやる、と完全に割り切ってるのなら話は別ですが・・)
そうなったときに、じゃあ10年、50年と続くような商売の在り方ってなんなの?っていうのを、わたし自身もそろそろ見据えてやってかないといけないなってフェーズに来たと思ってます。
で、話を戻して、その戦略コンサルタントの方が、おもむろに、わたしに問いかけたんですね。
「事業を興す人・・・〝事業家〟と、なんちゃってで何となーく起業する人の違いって、何かわかる?」
と。
わたしは、全然わからんかったので素直に「教えてください」と頭を垂れました。笑
すると、こう答えてくれました。
「もっともシンプルな違いは・・・
自分だけが豊かになるのか
周りの人を含め、世の中が豊かになるのか
だね。」
「自分さえ食えれば、自分さえ結果が出ればそれでいい、と思ってやるのか。
あるいは、
日本の未来を担う意識を持って、周りの人を食わせていく、守っていく、全体を豊かにしていくぞ、と思ってやるのか。
その意識の差は、本当に大きい。後者になるほど、肚(はら)の括り方が、全く違う。他者に対してコミットしてる人は、仕事に対する覚悟と責任がものすごく大きい。」
「今まで、あんちゃは自分が豊かになるためにビジネスをやってきたかもしれない。でもこれからは、次のステージに進むときだ。世の中の経済を回していく側、豊かさを循環させていく側として働くと、見える景色が全く変わる。仕事のスケールも、数倍でかくなる。だから、早くこっち側に来てほしいと思う」
なるほど、その通りだと思いました。
ずっと悶々と、一歩殻を破れていない感じがあったのは、そういうことなんだと、納得したんですね。
もちろんこれまでも、「誰かの役に立ったらいいな」という思いでやってきたのには変わりありません。
が、根底では、「とりあえず自分が満足すれば十分かな」という思いが(自覚は無いにしろ、潜在的には)あったのも、確かだと思います。
まだまだ、本気で誰かの人生に影響を与えたり、世の中を動かすことへの臨場感が足りなかったなと。
最近は、歴史を勉強するようになって、ライティングの師匠・新田さんや、今バリスタとして活動している「シロフクコーヒー」に出会って、
今自分がここに立っているのは、数多の先人たちが、必死の思いで国を建て直し、豊かさを築いてくれたということ。
そして、自分を取り巻く周りの人たちに支えられることで、仕事ができているということを、すごく実感しています。
ならば、わたしも同じように、周りの人、次の世代、世の中のために、還元していかなきゃいけないなと、自然と思うようになりました。
むしろ、それが当たり前の役目というか・・・与えられて、貰ってばかりじゃ世の中は循環しないですよね。
そんな当たり前に気づくということが、事業家としての一歩だとも思うし、この先の世代にも受け継がれるべき精神とか、文化とか、伝統を、発信を通して、残していけたらいいなと思ってます。
(ちょっとまじめすぎかなぁ・・・笑)