2年前に会社を退職してフリーランスになってから、少しずつ自分の理想の生き方に近づくことができた。
いまのライフスタイルは、あの頃毎日会社に通ってブログを書き続けていたときに思い描いていたものそのものだ。
なにも不満なんかない、幸せな毎日。
だけどそれは、時が経つにつれて違和感がでてきた。すべてが満ち足りた人生にこれ以上何も望むものがないのに、不満足感が残るのだ。
目標や夢を達成した瞬間、幸せは「不満足」に変わる。
わたしはこの1年、むかしから理想としていたライフスタイルをすべて実現できた。経済的自由も精神的自由もある程度得た。だからこれ以上何も望むものがなかった。今この状態がこの上なく幸せで満たされていた。だけどそれは時間が経つと、「停滞」という名の不満足感に変わっていった
— あんちゃ/二拠点生活 (@annin_book) July 30, 2018
「場所にも時間にも人にも縛られない生き方をしたい」
そう思いながら会社員をしていた。満員電車に乗って隣のおじさんに舌打ちされながらオフィスに通っていた。
決められた時間に出社し、決められた時間に昼休憩し、決められた時間まで働き、また満員電車に乗って帰宅し、ベッドに倒れこむ毎日だった。
「仕事は楽しくないわけじゃない。でもこの生活を一生続けるのはしんどい」と思って、会社以外の居場所を探した。
関連記事：会社辞めたいけど言い出せないって人は「逃げ道」をまず作れ
そこでたくさんの働き方を知って、破天荒な生き方を知って、わたしも新しい扉を開きたいと思った。
いろんなことにチャレンジしては挫折していくなかでブログと出会った。
暇つぶしだけど、やるなら全力でやろうと思って毎日書きまくった。大好きな睡眠を削ってまで、会社の昼休みを削ってまで書いた。
そうしたらいつのまにかブログはわたしの生業になった。
最初の頃は「来月生活できないかも」という瀬戸際のなかで死に物狂いに動いていた。
焦りはありながらも無我夢中で行動していた。紛れもなくあのときは毎日幸せを噛み締めていた。やっと、やっと自分の理想の生き方を実現できるぞと。
そこから1年くらいはブログを軌道に乗せながらそれ以外のこともどんどんチャレンジした。
たくさんの人の相談に乗ったり、コミュニティを作ってみたり、大の苦手だった人前で話す経験を重ねてみたり。
2018年に入ってからはそれらを継続する段階に入って、なんとなく落ち着いた毎日を過ごしていた。
これでいいはずだった。
いいはずなのに、なにか引っかかる。
「最近激しく焦るようなことも、絶望の淵に立つことも、苦しみ抜いた先の達成感を得ることもなくなった気がするな」と。
わたしのすぐそばで友人が大きな挑戦を繰り返しては失敗して、悔しそうな表情をしている。
わたしは最近、あんな表情を浮かべたことがあっただろうか。唇の血がにじむほどに歯をくいしばったことがあっただろうかと、自分に問う。
自分が思い描いた生き方を実現できたのはいいけど、そこに座り続けていて本当にいいのか？
その幸せはずっと続かないのではないか？
目標や夢を実現した瞬間から、その幸福は濃度を下げていくのではないだろうか？
「望んだものをすべて手に入れられたはずなのに、何でこんなにモヤモヤするのか」。ずっと考えた。
結論、目標をゴールした先が”幸せ”なのではなく、適切な目標に向かって没頭している過程そのものが”幸せ”なのではないかと思った。
だとしたら、今のわたしに必要なのは「新たな目標」だ。— あんちゃ/二拠点生活 (@annin_book) July 30, 2018
人は、手に入らないものがあるから全力で生きられる。
現在のわたしにはこれといって成し遂げたいものがない。
大きな舞台に立ったあとに燃え尽き症候群になることがあるように、わたしはいま人生レベルでの燃え尽き症候群を経験しているのだろう。
だからといって成し遂げたいものが目の前にぱっと現れるわけでもないので、しばらくは自分の知らないものや場所、人に出会って新しい経験を吸収したいと思う。
きっとこういう苦悩も、あとから振り返れば「幸せな苦悩だったな」と思えるときがくるのだろう。
望んだものがすべて手に入ってしまう人生って、実は幸せじゃないと思ってて。人は手に入らないものがあるから今を頑張って生きようとするし、悩んで葛藤しながら進める。苦悩やもがきの無い人生なんて味気なさすぎる。
— あんちゃ/二拠点生活 (@annin_book) July 30, 2018
関連記事：会社辞めて独立してから2年経つけど、もう幸せでしかない
