夜明け前。
今日も濃い一日だった。
でも、もっと濃くできる。
一日(いちじつ)十年のごとく生きるには
まだまだ駆け出しの甘ったれだ。
もっとこうできたかも、
もっとああ言えたかも、
一日の振り返りをするなかで
反省することが山ほどでてくる。
*
映画『シンドラーのリスト』を観た。
1993年製作。
スピルバーグ監督、
主演はリーアムニーソン(個人的に彼のアクションが好きでよく作品を観ていた)。
モノクロ映像、かつ物語に大きな影響を与える部分には
キーワードとなるカラーが差し込まれ、なんとも粋な演出。
物語は、第二次世界大戦の真っ只中。
ドイツ人実業家の主人公・シンドラーは
当時迫害されていたユダヤ人が低賃金で雇えることから、工場を経営し成功を収める。
はじめは自らの利益のためにやっていたことだったが
あるとき、ナチスによるユダヤ人虐殺を目にしてから
彼は次第に、
自分の身の危険も承知で
全財産をかけて
多くのユダヤ人を救うことを決意し動き出す。
ここからはネタバレになるが・・
特に印象的だったのが、
ドイツが無条件降伏をして、終戦を迎えたあと
自らもナチス党員であったシンドラーは追われる身となり
工場の解散を言い渡して
1000人以上のユダヤ人従業員たちに別れを告げる場面。
その最後の別れでシンドラーは、
「もっと救えたはずだ
努力すれば・・・
この車を売れば、10人雇えたかもしれない
このバッジを売れば・・
たとえ1人でも救えたはずだ
でもしなかった その努力を
もっと救えたかもしれないのに ーーー」
そうして泣き崩れながら、
多くのユダヤ人らに抱擁され、見送られて、工場をあとにした。
*
どれだけ人を救っても、
果てしなく志が高い人には、終わりがない。
どこまでいっても、
まだできたはずだ、と悔やむことばかりで
おのれの至らなさに打ちひしがれる日々だろう。
でも、だからこそ、
明日こそは、今日より少しでも前に進むぞと
今日の悔しさが明日の原動力になり
誰かの人生に影響を与えるきっかけになる。
まだまだやれる、
まだまだ足りない、
まだまだ悔しい。
師のように、
歴史を変えてきた先人たちのように、
誰かの苦しみを背負うには
誰かの悲しみを受けとめるには
わたしはまだ、あまりに小さい。
だから、進める。
前を向ける。
まだ先がある。
だから明日も、楽しみだ。
(あ、もう今日か。)