2024/02/08「虚飾」

 

いつの世も

人は往々にして

わかりやすいもの

結果がすぐでるもの

かっこよく見えるものに

飛びつくもので

 

 

けれども実は

わかりやすく白黒はっきりしたものの奥にある

繊細で曖昧な部分や

結果がでるまでの果てしない過程や

かっこよく見える裏側にあるドロドロしたものの中に

本質があったり、なかったり・・

 

 

うまい話には必ずウラがあるということは

潜在的にはわかっていても

多くの人は、顕在的に見ないようにしている

気づかないようにしている

 

 

正面から見たらキラキラと輝く世界も

ぐるっとまわって後ろから見れば

そこにたくさんの屍があって

傷つき、悲しみ、怒り、苦しむ者があることを

知っている人は、実は少ない

 

 

華々しい世界の入り口に惑わされ

着飾って、付け加えて、塗り固めた光に遮られて

深淵なる闇は巧妙に隠されていく

 

 

だけど、知らずのうちに

自分がその一端を担っていたこともあるはずで

(生まれてから死ぬまで清廉潔白な人などいない)

自分が見えないところで

傷ついた人、悲しませてしまった人は

きっとたくさんいて

 

でも、だからこそ、

 

虚飾の世界には、真実はないのだということを

伝えていかなきゃいけないなと思う

(まだまだ、力量不足だ)

 

 

一見わかりにくい繊細微妙な世界を感じて

すぐには結果のでない過程を愛して

泥臭い感情、自分の弱さを見つめて

表現していきたいと思う

 

 

 

PS

平家物語 第一巻

誰もが知っている冒頭の言葉

好きなので載せておきます

 

学生時代に読んだときと

今あらためて読むのでは、全く感じ方が変わりますね。

 

祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらはす

驕れるものも久しからず

ただ春の夜の夢のごとし

猛き者も遂にはほろびぬ

ひとへに風の前の塵におなじ