実は、今年の2月ごろから「雅楽」をはじめました。
(わたしがやってるのは「龍笛」っていう横笛です)
雅楽ってなんやねん?って人が大半だと思いますが(私もそうだった)
神社に初詣行った時とか、ご祈祷のときとかに鳴ってる音楽が、それです。
じっくりと聴く機会はあまり無いかもしれませんが、
あらためてちゃんと演奏を聴いてみると、すごく心地よくて、ぽわーっと身体が浮かぶような感覚になります。
▼雅楽で有名なのは「越天楽」という曲です。みんなも聴いたことあるかも
わたし自身も雅楽に触れるのは丸っきりど素人で。
5歳の時からクラシックピアノを習ったり
高校は吹奏楽やって、大学でジャズをやってたので
ずーっと西洋的な音楽をやってきたわたしにとっては、
雅楽という日本の伝統音楽自体が未知の領域で、
演奏スタイルもルールも何もかも違う中で、非常に戸惑いました。
だって、楽譜はカタカナだし、音符ないし、
決まったテンポもなければ、音程もないのです。
(「唱歌」という歌をうたって、曲を覚えていくんです!)
だから、他の楽器の人たちとは、文字通り「息を合わせて」演奏しないといけない。
つまり、お互いの信頼関係がモロに音に出るし、五感を研ぎ澄ませなければ、決して調和できない音楽です。
目に見える「楽譜」に頼るのではなく、目に見えない信頼や、感覚を大事にする。
とても日本的だなぁと思いました。
雅楽の歴史は、奈良時代から1000年以上に及び、「世界最古のオーケストラ」と言われるほどです。
知れば知るほど奥が深く、この美しい日本の伝統芸術はぜひとも若い人たちにも伝えていきたいなと思います。
(歳を重ねるたびに、「自分が生まれた国のこと、なんも知らないんだなぁ」としみじみ感じる・・・)
***
そんなこんなで、2月にはじめた雅楽。
実はつい先日、お披露目の機会がありました。
(なんと、厳島神社に向けての、奉納演奏!)
ど素人がたった3ヶ月で公の場で演奏するって無理じゃね?という思いはずっとありましたが・・・
やらせてもらうと決めたからには、本気でやらねばと、
高校の部活並みに、練習しました。(笑)
もちろん日中は普通に仕事をするので、練習するのは基本深夜です。
ときにはみんなで合奏練習するのも、朝まで続く日もありました。
本番直前は、日中はひたすらコーヒーを淹れて、夜はひたすら笛を吹く・・・
という、なんとも雅(みやび)な生活を過ごしておりました。笑
笛を吹きながら寝てる・・・ (¦3[▓▓]
みたいなこともありましたが
どれだけ仕事が遅くなっても、
どれだけ体力的にしんどくても、
5分10分だけでいいから、毎日吹こう。
そう決めて練習しました。
それは、今まで
会社員しながら毎日夜中までブログを書き続けた日々や、
コーヒー修行を始めてから毎日淹れ続けてお客様に提供した日々が、
わたしの人生を豊かにしてくれたという確信があったから。
だから、続けた先に、どこかで突き抜ける瞬間が来る。
そう思ってました。(もちろん、日々の試行錯誤がないままただ続けても、意味がないですが・・)
かつて、
「神に愛された天才」と呼ばれたモーツァルトも、
「音楽の父」と呼ばれたバッハも、
その生涯で何百曲、何千曲と作曲しつづけたと言います。
奇才・ピカソも、ゴッホも、数え切れないほどの作品を描きました。
きっと、世間の逆風に晒されながら、己の弱さと闘いながら、必死に描き続けたのでしょう。雨の日も風の日も。
その中で、現代の誰もが知っているような彼らの作品は、たった数曲・数枚かもしれません。
けれど、周りから天才だと言われた彼らも、日の目を見ない作品をたくさん作り続けたからこそ
後世に残る伝説の曲、伝説の絵が誕生したんだと思います。
それならば、凡人の私はなおさら日々の積み重ねを作らねば!と、眠い目をこすって練習しました。
もちろんしんどい日もありましたし、仲間内でぶつかることもありましたが、それもこれも、みんな真剣にやってるからこそ起こることで。
結局、あとになって色鮮やかな記憶として残るのは、こんなふうに、目の前のことに熱中して、打ち込んだ日々なんだよな、と思います。
ちなみに本番は、なんとか無事に演奏し終えました(*´ω`*)
(しかも本番のほんとギリギリ直前になって、みんなの息がピタッと合いました。持ってるな〜)
今年は、文章と、コーヒーに加えて、雅楽もがんばっていきたいです(`・ω・)b
それでは、とりとめもない文章ですが。このへんで!