悟りを得たような眼差しで失礼します。あんちゃです。
突然ですが、この世は理不尽ですよね。
人生というのはなかなか自分の思い通りにはうまくいかないもので、ときには「もうヤダ!」と投げ出したくなることもあるはず。
そんなあなたに、今日はぜひともこの記事を読んでいただきたいーー。
わたしは、「理不尽」をこんなに明るく元気に語る人に、初めて出会ったのです・・・
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わたしの最近の趣味は、頭のおかしいぶっとんだ人生を送る人びとから「自分史上もっともぶっとんだエピソードを聞きだす」ということなのですが、
いかんせんそのエピソードが異次元でぶっ飛んでいるので、
わたしの胸の内だけに留めておくのは胸焼けしてしまうため、大変もったいないため、ぜひともみんなに読んでもらおう!と思い、この記事をしたためました。
今回ぶっとびエピソードを伺ったのは、大阪にある日本茶・中国茶専門店「茶肆ゆにわ」の店長、こがみのりさん。
幼い頃から寺社仏閣が大好きで、歴史・宗教に強い関心を持つ。
18歳の頃に比叡山へ出家を志願するも叶わず、その後は着物屋、パワーストーン店などで多忙の日々を送る。
その後、たまたま近所の喫茶店に立ち寄った際に、現在の師匠と出会い、茶肆ゆにわの立ち上げから店長に抜擢。
他店では決して味わえない希少なお茶と、人生観が変わるような話の数々に、多くの経営者や著名人もお忍びで通うほど。
現在は、系列店「シロフクコーヒー」の店長も兼任し、歴史講座の講師を務めるなど、多岐にわたり活動中。
実はこがさんは、わたしが関西に引っ越して以来「大阪の母」のような存在でして、人生に悩んだときはいつも救ってもらい、ときには厳しく叱っていただくことも多々ありました。
こがさんの、強く芯のある生き様と、含蓄のある言葉に、巷では「不動明王様」と呼ばれているほど・・・。(私が勝手に呼んでいる)
そんなこがさんですが、お茶屋で店長を務める前は相当やんちゃライフを送っていたそうで、本人曰く
「この世のあらゆる刺激物を凝縮したような20代だった」
とのこと。
今ではお茶屋で不動の精神を貫くこがさんが、一体どんなぶっとびエピソードを持っているのか。
刺し違える覚悟で勇気を振り絞って、切り込んでみました。
理不尽な世界への入り口は「カラオケ屋」だった
あんちゃ:さて、不動明・・いえ、こがさんの人生で1番ぶっとんだエピソードをお聞かせください
こが:本当にヤバかったっていう意味では、やっぱり20代のときやな。実は物心ついたときから仏教とかお寺が大好きで、いつも「人はなぜ死ぬのか」「死んだらその後はどうなるのか」ってことばっか考えていt
あんちゃ:待て待て、20代に入る前からツッコミどころがありすぎる
こが:(無視) で、「もし仮に仏様や神様というものがいるならば、なぜこの世から戦争がなくならないのか」「自分が苦しいときになぜ助けてくれないのか」ってずっと思っててん。目に見えない世界への興味と、そこについていけない現実とのギャップにずっと葛藤してて・・・
あんちゃ:(そんな小学生おる???)
こが:その反動で、酒、金、プロレス、ロック・・・あらゆる刺激物にまみれた病みの20代に突入しました(*’ω’*)
あんちゃ:0か100かみたいな生き方ですね
あんちゃ:具体的にどんなヤバいことがあったんですか?
こが:んー、出家を試みたり、念力で競馬当てる坊さんと仲良くなったり、坊さんに求婚されたり、婚約して同棲中の彼氏の元から夜逃げしたり、いろいろあったんやけど・・・
あんちゃ:一般的な人とのヤバいベクトルが全く違うな
こが:大学卒業後にバイトしてたカラオケ屋もカオスやったかな。近所でたまたま見つけて面接に行ってんけど、まず面接部屋をガチャっと開けたら、目の前に明らかにカタギではなさそうな男性一人と
あんちゃ:あっ・・・(察し)
こが:“網タイツでセーター作りました!”みたいなスッケスケの服で真っ赤なブラジャー丸見えの女性が、男の腕に絡みついててん
あんちゃ:どう見ても事後じゃん
こが:「あ、面接するとこしくった」って思ったよね・・・
あんちゃ:結局どうなったんです??
こが:わたし以外にも面接受けた人二人くらいいて、結局ほぼ質問されずに全員合格した(笑)
あんちゃ:ザルすぎるwwそれにしてもよく働こうと思いましたね
こが:まぁ・・・時給が良かったから・・(*’ω’*)
あんちゃ:これが資本主義の世界・・・
魑魅魍魎(ちみもうりょう)のチンピラたち
こが:まぁ、店がそんな感じだから来るお客さんもガラ悪くてさ。背中にブルドッグの絵が描かれた白いジャージ着てるような人がたくさん来たんよね
あんちゃ:想像しやすすぎるな
こが:さてここからわたしの理不尽ライフがスタートするわけです
あんちゃ:やはり芯の強い人は理不尽な経験を乗り越えてきているのですな・・
こが:お客さんの中には、明らかに裏の世界の方ですよねって人も来るんだけど、そういう人らって、上層部にいくほど礼儀とかしっかりしてるんよ。問題は、下っ端の魑魅魍魎(ちみもうりょう)のチンピラたちなんよね。
あんちゃ:魑魅魍魎・・・
こが:あるとき、その魑魅魍魎たちが歌ってる部屋・・「魑魅魍魎ルーム」から「ちょっと来いヤァァ!」ってフロントコールが来てん
あんちゃ:そんなカラオケルームはいやだ
こが:で、バイトの子誰も行きたがらんし、わたしが一応リーダー的な立場だったから行くしかないか・・と思ったんやけど、ふとそこでバイトの男の子が一人足りないことに気づくんよね
あんちゃ:あっ・・・(察し)
こが:意を決してドアを開けたら、そのバイトの男の子が土下座してて
あんちゃ:ヒィ( ;´Д`)
こが:で、わたしが「何かございましたか?」って聞いたら、魑魅魍魎が「ございましたかじゃねぇよ。ござるから呼んだんだよ」と
あんちゃ:急に江戸っ子ワロタ
こが:話聞くと、明らかに理不尽なクレームなんやけど、何言っても聞かないし「土下座せえ!」って怒鳴ってくるから、「申し訳ございませんでした」ってわたしも土下座して
あんちゃ:ウシジマくんの世界かな?
こが:その土下座した頭にはビールかけられ
あんちゃ:アアアッーーーー!
こが:それ以来、魑魅魍魎ルームに呼び出されては毎度ビールかけられたよね。あるときはレッドアイ(ビールとトマトジュースを割ったドリンク)をかけられて、髪の毛がトマト臭くなり(笑)、しかもロクにお会計も払わんで、ほんま泣きたくなるほど理不尽やったんけど。
あんちゃ:普通の女子ならソッコーで逃げますよそれ。こがさんはどうしたんですか?
こが:「絶対に屈しねぇ」って毅然とした態度を貫いた
あんちゃ:不動明王様ァ・・・(´ω`)
こが:そしたら、その魑魅魍魎たちが「お前、気骨あるやん」ってコロッと態度変えだして。しまいにはお酒奢ってくれたり、チップくれるようになったり、タバコくれるようになったんよね。タバコ吸わんけど
あんちゃ:魑魅魍魎を感化しとるwwwすげえww
「理不尽」は、人生の財産になる
こが:まぁ、今となっては死ぬほど笑えるんやけど(笑)、当時は理不尽続きの出来事が続いて、ずっと胃も痛かったし怖かった。数えきれんほどイヤな思いもした。カラオケ屋に限らず、20代はずっと報われない思いを抱えてたね
あんちゃ:こがさんの話聞いたら、わたしの20代とかほんと恵まれてるって思います・・・
こが:当時、一人で家帰ってるときとか勝手に涙でてきたもん(笑)
あんちゃ:あっわたしの会社員時代の話かな?
こが:まぁでも、そういう理不尽を経験するたびに、仕事仲間との結束が強まったり、何よりその後の人生において、ちょっとイヤなことあっても「あんときよりマシやな」って思って乗り越えられるようになったよね
あんちゃ:わかる〜〜〜!!わたしも独立する前に極貧生活を経験してから、しんどいことあっても「あんときの1日100円生活より全然マシだわ」って思えるようになりましたもん
こが:人って、一回理不尽の極みを経験したら強くなれるんちゃうかな。結局、仕事をアグレッシブに創っていける人って、それまでの人生で何かしら理不尽な経験乗り越えてきた人って多いやんか。
あんちゃ:たしかに。わたしの周りで起業してうまくいってる友人も大体苦しい時期を経てますね
こが:「不遇」って、たしかにその時はしんどいけど、実はその人の人生にとって貴重な財産になるんよね。
あんちゃ:(あっこれ深い話になるやつだ)
こが:たとえば歴史を振り返っても、戦後から今の日本経済を牽引してきた経営者たちって、戦争を経験してたり、戦地に赴いて「死」に直面した人だったりするやんか。
あんちゃ:なるほど・・・戦争なんて、不遇というか、理不尽の極みですもんね
こが:そういう経験してる人ほど、「死」が身近にあるんよね。だからこそ必死で不遇に立ち向かう。その状況を乗り越えた人は、たとえまた理不尽なことが起きても簡単に挫けなくなる。
こが:「明日死ぬかもしれない」と本気で思いながら1日生きてる人って、小さいことでくよくよ悩む暇なんか無いし、「自分が今生きている時間は、永遠じゃない」って心の底から悟れるんだよね。だから、不遇に屈しない。むしろ不遇を味方につける。
あんちゃ:(無言で聞き入る)
こが:「いつ死んでもいい」と思えるほど熱く「今この瞬間」を生きているならば、多少の理不尽な出来事すら、バネにするくらいの気概が身につくんよね。そういう死生観を持っているかどうか。
あんちゃ:(魑魅魍魎のチンピラから、まさか死生観の話につながるとは・・・)
こが:現代では死に直面することはなかなか無いけど、理不尽な経験を通して、「今この瞬間は二度と戻らない」と常に思えている人は、1日の過ごし方も、人との接し方も変わるんやろうね。今ある関係性がずっと続くかわからない。今日出会った人とはこれが最後になるかもしれない。今の生活が続くとは限らない。だったら、今できうる限りのことをやってやろうって。
あんちゃ:その通りっすね・・・。わたしも心のどこかで、今ある時間がずっと続くって思っちゃってるかもしれません・・
こが:そういう人は、いつまでたっても動けないよね(笑)
あんちゃ:ストレートなご指摘ありがたい!!気持ちいい!!!
こが:別にあえて理不尽なことをやる必要はないけど、もし今そういう状況で葛藤してる人がいるなら、その経験自体が、人生において強さと優しさを形作る財産になると思う
あんちゃ:苦しい思いをした人ほど、人の痛みに寄り添えますもんね
こが:泥水の中で蓮の花が咲くように、たくさん泥臭いことして、駆けずり回って、それでも報われなくてもう限界だって思った先で、新しい才能が開いたり、転機が訪れたりするんよね
あんちゃ:わたしも、一人でずっと仕事し続けて、そこにもう限界を感じたときにこがさんと出会ったもんなぁ・・・
こが:もちろん潰れそうになったらヘルプは呼ぶべきやけどね。自己犠牲って、最終的に周りの人のことも大切にできなくなるから。
こが:まぁとは言いつつわたしも20代のときは、嫌なことから逃げるために毎日酒飲んで騒いでたし、メンタルもボロボロだったから、「何もしない時間」が怖くて仕方なかったよね。だから刺激物でごまかしてた(笑)
あんちゃ:わたしも旅にでることでごまかした時代がありました・・・
こが:でも結局、どんなに外部から刺激をいれても、内側は満たされなかったんよね。こんなんじゃいけないっていう葛藤と、でも現状の環境から抜け出せない不甲斐なさと、いろいろせめぎ合ってて。
あんちゃ:わかりみが深すぎる。。ちなみにその頃も、仏教とか精神世界のことには関心があったんですか?
こが:めっちゃあった。京都のお寺に通いまくってたし、お坊さんからいろいろ話聞いたりしたんやけど、でも結局それだけじゃ救われなかったというか。だから、その反動でお酒に溺れて騒いでた(笑)
あんちゃ:たぶんこの話読んでる人からすると、「そこからなんでお茶屋に??」っていう疑問が大量に湧くと思うのですが。笑
こが:だよねw まぁその後もずっと「どうすればいいんだ〜!」っていう思いは抱えて生きてたんだけど、その先で、今のお茶屋を始めるきっかけになる師匠に出会うんよね。
あんちゃ:おお!転機になる出会いがあったということですね
こが:そっからの約10年間は、20代とは真逆の人生を送ることになります(笑)
あんちゃ:振れ幅がすごいなこがさんの人生はw
こが:ほんとねw でも逆に、20代ボロッボロの人生送ってたわたしでもここまで変われるんやでっていう希望になると思う
あんちゃ:たしかに勇気もらえますわw
こが:そう思うと、理不尽な経験も報われるね。笑
あんちゃ:こがさんはきっとそうやってずっと理不尽な思いして、葛藤して、でも動くことをやめずにいたからこそ、その先で師匠と偶然出会った時に「これが転機だ!」って気づけたんでしょうね
こが:ずっと悩んで考え続けてたから、些細な出会いとか変化を見逃さずにいれたんやと思う。「これはもう絶対逃がさん」って思ったもん(笑)
あんちゃ:じゃあその師匠と出会ってから今に至るまでの激変っぷりは、ここに書くと3万字くらいになりそうなので、第2章でまた語ってもらいたいと思います(笑)
わたしが人生迷走中だった2年前に、はじめて茶肆ゆにわを訪れ、初対面にも関わらず、本当に真剣に話を聞いてくれたこがさん。
ときには踏み込んで、わたしの弱さや、向き合わなければいけない課題についてもハッキリ言ってくれました。(こういうのって、言う側が1番心苦しいんですよね。)
どんな瞬間も、目の前にいる人に対して真摯に向き合い、肚の決まった生き方に憧れていましたが、その生き様に至るまでには、泥水すするような経験がたくさんあったのだなと。(今となっては笑い飛ばせるけど、当時は気が気じゃないよね・・)
だからこそ、こがさんの発する言葉には、強さの裏側に深い愛を感じるんですよね。
なんとなく、余力を残しながら「まぁこんなもんかな」って生きてきた人には決して出せない説得力と、深みがある。
「今日のこの人との出会いが、人生で最後かもしれない」
そう思って生きているからこそ、目の前の人に対して真剣に向き合えるのだろうなと・・。
そんな不動の生き様を目の当たりにしたときに、また少し背筋が正される思いがしました。
また、どこかで第二弾のインタビューもできればなと思います!
▼ちなみに、こがさんがメイン講師を務める歴史のオンライン講座「NEXT TRIBE」で、あんちゃもサポート役で入らせてもらっているので、
よければこちらもご覧ください(`・ω・)b
>>世界の裏側を知って次世代の影響力を身につける「NEXT TRIBE」
(主催は、あんちゃのライティングの師匠・新田さんです!)
それでは、ありがとうございました!