寒空の下、唐突な真顔で失礼します。あんちゃです。
もうすぐ年末ですね。年末といえば……
そう、宝くじですね^^^^
長年の恒例行事として続いてきた年末ジャンボ宝くじ。
最近は特に宝くじ売り場が何時間も待つような大行列になっていることで、ニュースやネットを騒がせています。
去年なんかも東京・有楽町にて3時間待ちの大行列があったとのことで、ネット上では
- 「時間の無駄」
- 「生産性なさすぎww」
- 「年末の楽しみだからいいのでは?」
と死屍累々罵詈雑言の白熱した議論が飛び交っておりました。
…正直、わたし自身も年末ジャンボに並ぶ人の気持ちはまったく理解できませんでした。
そもそも行列という事象を生理的に受け付けないし、宝くじすら買ったこともなく、買う意義を見出せませんでした。
だからこそ、実際に並んで体感してみようと思ったのです。(要するに、ただのドMです)
どんなにネット上でボロクソ言われようと、やはり人が集まることには理由がある。なぜみんな年末ジャンボを寒空の下、行列に並んでまで購入するのか?
その理由を探ってみました。
年末ジャンボ宝くじはどんな仕組みなの?
そもそも宝くじってどんな仕組みで成り立っているのか気になったので調べてみました。
”宝くじの発売元は、地方自治体です。一般の個人や会社などが発売することは、刑法第187条で禁止されています”
”収益金は抽せん会終了後、時効当せん金は時効成立後、それぞれ発売元である全国都道府県及び20指定都市へ納められ、はじめて1回分の受託業務を終了します”
宝くじの販売元は各地方自治体なんですね〜。
発売に際しての事務は銀行などに委託されて、宝くじの印刷から配送、広報宣伝から抽せんなどなどを行っているのだとか。
ってことは宝くじの収益金は地方自治体に収められると思うので、せっかく宝くじを買うなら自分がゆかりのある(好きな)地方自治体で買うのがいいですね!
宝くじの収益金の内訳はどうなっているの?
多くの人は、みんなが宝くじを買った分だけ当選金に割り当てられると思っているかもしれませんが、それは全く違います。
実際の宝くじの還元率(当せん金として支払われる率)は46%ほどです……!
じゃあ54%はどこへいったのかというと、諸々の広告宣伝費や地方自治体への交付金として使われています。(毎年大々的に広告打ち出してるし、そりゃお金かかるよね…)
画像参照:https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/top.html
要するに、10,000円分宝くじを買ったら、まず5,400円が販売元に差し引かれて、残りの4,600円を宝くじ購入者の中で再配分するような仕組みなのです。
これ、宝くじの公式サイトにちゃんと書かれてるんですよ。それを知ったら一気に現実に引き戻されそうですよね……^^^^
行列に並ぶ人々はこの事実を知っていてなお並んでいるのか、知らずに並んでいるのかはわかりませんが、結局最後に一番儲かるのは胴元(販売元)ということなんですね。
期待値が5割以下ということで、巷では「最も割の悪いギャンブル」と呼ばれ、一部の経済学者の間では「愚か者に課せられた税金」と呼んでいるのだとか。
たしかに5割が地方に交付金として収められるのなら税金を払ってる気持ちにならんでもない……。
宝くじはどれくらいの確率で当たるの?
年末ジャンボは1ユニット=1000万枚に当たりが一枚が通常。
ただ2015年以降は1ユニット=2000万枚になったそうなんで、単純に1等が当たる確率は2000万分の1ということになります。
2000万人に一人しか当たらないということは、たとえるなら日本の総人口約1億2千万人のうち6人だけ当たるということ。
巷ではいろんな確率論にたとえられていますが、宝くじで1等が当たるよりも、1年間のうちに交通事故で死亡する確率の方が約300倍高いのだそうです。
これだけ調べると奇跡のような確率だというのはわかっていても、「もしかしたら…」という希望を持ってしまうのが人間の性。これを愚かというべきか、ポジティブシンキングというべきかは人それぞれ…。
日本で1番行列のできる売り場「西銀座チャンスセンター」
わたしが今回宝くじを買いに並んだのは、日本で最も1等当選が多い売り場こと「西銀座チャンスセンター」。
毎年多くの人がここの売り場に駆けつけるようです。
特にそのなかでも人気のある「1番窓口売り場」は相当な行列を覚悟しなければならないという。。。
毎年大行列ができるため、行列専用の通路「億の細道」というのができたそうです。うまいなーwww
発売初日や大安の日、一粒万倍日など縁起の良い日は特に混み合うみたいですね。
ということでわたしも張り切って年末ジャンボ発売初日の11月21日に行ってきました。(ついでに大安)
実際に1時間半並んでみた。
満を持して会場へ。
今回ひとりで粛々と並ぶのはあまりに寂しいので、助っ人を呼びました。
(真ん中)のび太(@ababaisme):フリーライター。のび太っぽいので黄色い服を着ている。
(右)おすず(@koyumakiko):全力で納豆を愛するJD。今後の進路に悩んでいる。
のびた「7億当てます」
おすず「たのしみ〜〜^^^^」
15時頃有楽町駅に集合して、おそるおそる売り場へ……
あんちゃ「アア〜〜〜〜!なんか列が見えるぞォォォ!!!(興奮)」
あんちゃ「しっかり行列」
並んでいるのは40代以上の方が大半だったように感じます。
若い人はほとんど見かけませんでしたね〜。時間帯もあるのかもしれませんが。。
上の世代のほうが「縁起の良い場所」にこだわりを持つのかもしれません。
先頭が見えなかったのでどれくらい待つか結構不安だったんですが、警備の方が「だいたい1時間半くらいですかねぇ〜」と言っていた。返答も手慣れた様子です。
世間話をしながらジリジリと並ぶことにしました。
のびた「1等当たって7億円もらったらなにする?」
あんちゃ「ん〜まずは札幌の一等地に物件借りて、誰でも無料で出入りできるコミュニティスペースを作る。のびたは?」
のびた「まず手始めに、実家の住宅ローンをすべて返済する(現実的)」
おすず「わたしは納豆工場作ります」
あんちゃ「普通の人が思い浮かべる使い道と全く違うwww」
のびた「でも1等当たって7億もらったら絶対人間関係大変になると思う」
あんちゃ「金目当ての人ばっかり近くに寄ってきそう。人を信用できなくなりそう」
おすず「あ〜やっぱり車も欲しいな〜〜」
あんちゃ「……それにしても3分に1歩くらいしか進まないね(遠い目)」
夢があるのかないのかわからない話をしつつ、並ぶこと1時間半弱……ついに売り場へ到達!!!(すでに辺りは暗くなっている)
見事に1番売り場だけ大行列で、その他の2〜7番売り場はガラッガラでした。(知らずに並んでたw)
ちなみに1番売り場だけなぜか窓口が2つあって、「1番売り場が2つあるならそれは2番売り場では?????」とツッコミを入れたくなったのですが、そっと心の内にしまっておきました。
ひとまず何枚購入するか迷ったのですが、有り金はたいて何十万も購入する!みたいなYoutuberのような芸当は到底できないので、バラ10枚(3,000円)で購入しました。
あんちゃ「(このうち1,500円以上は自治体に収められるんだなぁ…)」
ちなみに他の二人はわたしより大量に買い込んでいたのでビックリしてたら、「家族に頼まれた」「友達に頼まれた」と他の人の分もおつかいで買っていたようです。
行列に並んでた人たちはかなりたくさん買い込んでいる人もいました。一体何万円使ったんだろう…。
まとめ:行列に並んでまで宝くじを買う理由を考察してみた
そんなわけで実際に並んで宝くじを買ったんですが、わたしが感じたことは2つ。
- 億万長者になりたくて本気で買いこんでる人は(一部を除き)ほとんどいない。ただ「もしかしたら…」というほんの少しの淡い期待があるから、そのワクワクを買っているのでは?
- 「年末行事」としてのささやかな楽しみをゲーム感覚・お祭り感覚でやっているのではないか?
ってこと。
もちろん中には何百枚も買い込んでる人もいるしマジで一攫千金狙ってる人もいるのかもしれないけど、大半の人は宝くじをひとつのエンタメとして消費しているんじゃないかな〜と思いました。
1年に1度のでっかいお祭りに参加している感覚、というか。そういう娯楽的な意味で捉えてるような。
あとは当たった時のことを妄想して友達と話すだけでも面白いし、そういう時間に価値が生まれるってのもあるかな。
いくら確率論で「当たらない!」と言われたって、人はだれしも「もしかしたら自分だけは運良く当たるかもしれない」と思うものです。(認知バイアスって言うんだっけ?)
大金を得ることではなく、その過程や心境を楽しむところに宝くじの醍醐味があるのかもしれません。
※他にもビジネス寄りな考察もしたので、それはまた別の記事に書こうと思います!
わたし自身はもうしばらく宝くじは買わないと思いますが(笑)、今回の経験は「自分には理解できなかったモノの見方を考える」という点ですごく勉強になりました。
去年までは「宝くじ並ぶ奴とかwww暇人かよwww」と思ってたんですが、何事も批判するのは簡単で。
そこから「でもなんでそんな並んでまで買いたいと思うんだろう?」と実際こうして考察できたのは自分の思考力を磨くのにもすごく役立ちました。(現にこうやってネタにできてるし)
ゴールのない議論でボロクソ言い合うより、「理解できない!」と思ったら自分なりに相手の気持ちを汲み取って考察して、理解しようとする人が増えればいいなぁと思います。
そういう些細な意識が、自分とは違う意見を持つ人への配慮とか、他者への想像力を養っていくんじゃないかなと。
「わたしはこう思うけど、きっと他にはこういうふうに思う人もいるんだよね」と、主観だけではない第三者の視点が持てるようになると、仕事をする上でもプライベートの人間関係でも役立つことはかなり出てくるはず。
宝くじって合理的に考えれば買わない方が絶対にいいってわかるし、大半の人もそれをわかってるはずなんだけど、それでも毎年列をなして買う人がいる。
それを「バカばっかww」と批判して終わるのか「なぜこれほど買いたいと思うのか?」と考察するのかで思考の差がでてくると思う— あんちゃ/執筆屋 (@annin_book) November 21, 2018
というわけで、現場からは以上です。
今後もしわたしが札幌の一等地に物件を借りてたら、「あ、宝くじ当たったんや…」と察してくださいね^^^^^^
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